宋詞
山花子·此处情怀欲问天
此处情怀欲问天,相期相就复何年。
行过章江三十里,泪依然。
早宿半程芳草路,犹寒欲雨暮春天。
小小桃花三两处,得人怜。
翻訳
この場所で、この思いを抱くと、天に問いたくなる。私たちはいつになれば、また約束どおり寄り添えるのだろうか。章江を三十里も過ぎたというのに、涙はなお止まらない。 芳草の道を半ば来たところで、早くも宿を取る。晩春の空はまだ寒く、雨になりそうである。道ばたに小さな桃の花が二つ三つ咲いていて、その姿がかえって人の憐れを誘う。
解説
《山花子·此処情懐欲問天》は、旅の途中でなお離情が消えない心を描いた詞である。冒頭の「此処情懐欲問天」は、感情の強さを直接示す。人に訴えることができず、天に問いたくなるほどの思いである。「相期相就復何年」は、再会の約束がありながら、その実現がいつになるか分からない不安を表す。 「行過章江三十里,涙依然」は、身体はすでに遠くへ進んだのに、心は別れの場所から離れられないことを示す名句である。下片では旅路の景色が心情を映す。芳草の道、早い宿、晩春の寒さ、降りそうな雨が、疲れと寂しさを深める。最後の小さな桃花は、春の盛りではなく、寒雨の前のわずかな色であり、その弱々しさが人の憐れを誘う。花を憐れむ心は、そのまま自分自身の離情を憐れむ心でもある。
作者紹介
劉辰翁、字は会孟、号は須溪。南宋末から元初にかけての詞人・文学批評家で、江西廬陵の人。宋の滅亡後、元に仕えず、遺民として故国への思い、身世の感慨、漂泊の悲しみを書いた。詞風は沈鬱で蒼涼であり、時代の悲音を帯びる一方、個人的な離情や旅愁も繊細に表現する。《山花子·此処情懐欲問天》は相思を題材としながら、旅路の景物の中に孤独と無力感をにじませた作品である。