元曲
鹦鹉曲·渔父
冯子振
沙鸥滩鹭褵依住,镇日坐钓叟纶父。
趁斜阳晒网收竿,又是南风催雨。
绿杨堤忘系孤桩,白浪打将船去。
想明朝月落潮平,在掩映芦花浅处。
翻訳
砂洲の鴎と浜辺の鷺が寄り添うように住み、釣り糸を垂れる老人は一日中そこに座っている。 斜陽のうちに網を干し、竿を収めようとすると、また南風が雨を急がせる。 緑の柳の堤で舟を杭につなぐのを忘れ、白い波に打たれて舟は流されていく。 明日の朝、月が落ち潮が静まるころには、芦の花に隠れた浅瀬にあるのだろう。
解説
漁父の暮らしを描く曲である。沙鷗、灘鷺、釣叟が同じ水辺の世界に溶け込み、斜陽、南風、雨、白浪、芦花が自然のリズムを作る。「忘系孤桩」は小さな失敗だが、そこから舟が流される軽い劇性が生まれる。しかし作者は慌てず、翌朝には芦花の浅瀬にあるだろうと想像する。この余裕が、漁父を自然に任せて生きる隠逸者として浮かび上がらせている。
作者紹介
馮子振は元代の散曲家。漁父、樵父、園父などの人物像を通して、隠逸、自由、世俗を離れた暮らしの趣を描くことに長けていた。