元曲
鹦鹉曲·忆西湖
冯子振
吴侬生长西湖住,舣画舫听棹歌父。
苏堤万柳春残,曲院风荷番雨。
草萋萋一道腰裙,软绿断桥斜去。
判兴亡说向林逋,醉梅屋梅梢偃处。
翻訳
私は西湖のほとりで生まれ育った呉の人。画舫を泊め、船頭の歌を聞いたものだった。 蘇堤の柳は春の盛りを過ぎ、曲院の蓮には雨まじりの風が吹き渡る。 青々とした草は柔らかな腰帯のように、断橋へ斜めに続いていく。 興亡を論じるなら、林逋に語るがよい。彼は梅の庵で酔い、低くしなだれる梅の枝のもとにいる。
解説
西湖を故郷の記憶として詠む一曲である。蘇堤、曲院、断橋、林逋はいずれも西湖文化を象徴する名で、柳・蓮・草・梅が連なって景色の層を作る。終わりでは興亡の議論を林逋に預ける。林逋は孤山に隠れ、梅を愛した人物であり、作者は歴史の重さを西湖の清雅な隠逸世界へと移し替えている。懐旧と超然が共存する作品である。
作者紹介
馮子振は元代の散曲家。連作《鸚鵡曲》では、一つの曲牌を用いて山水名勝、歴史人物、人生感慨を広く詠み、元代文人散曲の自由さを示した。