元曲
鹦鹉曲·野渡新晴
冯子振
孤村三两人家住,终日对野叟田父。
说今朝绿水平桥,昨日溪南新雨。
碧天边云归岩穴,白鹭一行飞去。
便芒鞋竹杖行春,问底是青帘舞处。
翻訳
わずか二、三軒の家しかない寂しい村に住み、一日中、野の老人や農夫と向き合っている。 彼らは言う。今朝は緑の水が橋と同じ高さまで満ちている。昨日、溪の南に新しい雨が降ったからだ、と。 青い空の果てでは雲が岩穴へ帰り、一列の白鷺が飛び去っていく。 私は草鞋を履き、竹杖をついて春を歩き、青い酒旗の揺れる店はどこかと尋ねる。
解説
雨後に晴れた野の渡し場を描く一曲である。孤村、田父、溪水、橋といった素朴な材料が、「緑水平橋」「溪南新雨」によって清新な景色となる。後半の雲と白鷺は画面を広げ、静けさの中に動きを与える。結びの「芒鞋竹杖行春」は作者ののびやかな歩みを示し、「青帘」の酒家によって自然の中に人間味が添えられる。清雅でありながら生活の温度を失わない作品である。
作者紹介
馮子振は元代散曲の名手で、山水・懐古・隠逸を小令の中に巧みに収めた。典故を用いながらも口語の軽快さを保つ点に特徴がある。