元曲

山坡羊(二)

Shān pō yáng · Qí èr

身无所干,心无所患,一生不到风波岸。

Shēn wú suǒ gān, xīn wú suǒ huàn, yì shēng bú dào fēng bō àn.

禄休干,贵休攀,功名纵得皆虚幻,浮世落花空过眼。

Lù xiū gān, guì xiū pān, gōng míng zòng dé jiē xū huàn, fú shì luò huā kōng guò yǎn.

官,也梦间;私,也梦间。

Guān, yě mèng jiān; sī, yě mèng jiān.


翻訳

身に関わるものがなく、心に憂いがなければ、一生、風波の岸に近づかずにすむ。禄を求めるな、貴きを攀じるな。功名を得たとしても、結局はすべて幻である。浮世は落花のように目の前をむなしく過ぎてゆく。官も夢、私利も夢である。

解説

この曲は、前作よりもさらに強い退世の思想を示す。禄、富貴、功名を求めることは、風波の岸へ近づくことに等しい。「浮世落花空過眼」は、世の繁華が落花のようにはかなく過ぎることを表す。結びの「官も夢、私も夢」は、官位も私利も執着に値しないという醒めた認識である。

作者紹介

陳草庵の散曲は、名利や富貴への疑いを短く力強い言葉で表すことが多い。その隠逸は雅趣だけではなく、世の危うさを知ったうえでの自己防衛でもある。