元曲
普天乐(二)
滕宾
昼偏长,人贪睡。
新蝉高树,乳燕低飞。
荷荡中,湖光内。
款棹兰舟闲游戏,
任无情日月东西。
钓头锦鲤,
杯中美酝,
归去来兮。
翻訳
昼は長くなり、人は眠りを惜しむ。新しい蝉が高い木で鳴き、燕の子は低く飛ぶ。蓮の池と湖の光の中で、蘭舟をゆるやかに漕ぎ、気ままに遊ぶ。無情な日月が東西に巡るのは、そのままにしておけばよい。釣り糸の先には錦鯉、杯の中には美酒。帰り去ろうではないか。
解説
この曲は、滕賓の「普天楽」連作における閑適と帰隠の主題を、夏の風景で表している。長い昼、新蝉、若燕、蓮池、湖光が、水辺のゆったりした時間を作る。「款棹」「閑遊戯」は、官途の忙しさとは正反対の生活感覚である。「無情の日月が東西に巡るに任せる」という句には、世の速度から身を引く態度がよく表れている。結びの錦鯉と美酒は、帰隠の楽しみを具体的に見せている。