元曲
后庭花
赵孟頫
清溪一叶舟,
芙蓉两岸秋。
采菱谁家女,
歌声起暮鸥。
乱云愁,
满头风雨,
戴荷叶归去休。
翻訳
清らかな渓流に一葉の舟が浮かび、両岸の蓮に秋の気配が漂う。菱を摘むのはどこの家の娘だろう。その歌声に、夕暮れの鷗が飛び立つ。乱れた雲は愁いを帯び、風雨が頭に降りかかる。彼女は蓮の葉をかぶり、家へ帰っていく。
解説
この小令は、水墨画のように淡く澄んだ情景を描いている。清い渓流、一葉の舟、両岸の蓮、秋の気配がまず静かな画面を作る。そこへ菱を摘む娘の歌声が入り、夕暮れの鷗が飛び立つことで、静景に動きが生まれる。結びの「荷葉を戴いて帰る」は、雨に濡れる農村の娘の姿を軽やかに捉えた句である。濃い感情ではなく、清遠な風景と素朴な生活感がこの作品の魅力である。