元曲
一半儿 · 四景
胡祗遹
轻衫短帽七香车,
九十春光如画图。
明日落红谁是主?
漫踌躇,
一半儿因风一半儿雨。
纱幮睡足酒微醒,
玉骨冰肌凉自生。
骤雨滴残才住声。
闪出些月儿明,
一半儿阴一半儿晴。
荷盘减翠菊花黄,
枫叶飘红梧干苍。
鸳被不禁昨夜凉。
酿秋光,
一半儿西风一半儿霜。
孤眠嫌煞月儿明,
风力禁持酒力醒。
窗儿上一枝梅弄影。
被儿底梦难成,
一半儿温和一半儿冷。
翻訳
薄い衣を着て、短い帽子をかぶり、香り高い華やかな車に乗って出かける。九十日の春の光は、まるで絵のように美しい。しかし明日、花が散ってしまえば、誰がその花の主となれるだろうか。むなしくためらい歩く。半分は風のため、半分は雨のためである。 紗の帳の中で十分に眠り、酒も少し醒める。玉の骨、氷の肌には、自然と涼しさが生まれる。にわか雨の滴る音が、ようやく止んだ。ふと少し月の明るさが現れる。半分は曇り、半分は晴れである。 蓮の葉は翠を失い、菊の花は黄色くなり、楓の葉は赤く散り、梧桐の幹は青ざめている。鴛鴦の掛け布団も、昨夜の寒さには耐えられない。秋の光が深まっていく。半分は西風、半分は霜である。 一人寝には、月の明るささえ恨めしい。風の力が酒の力を抑え、酔いを醒ましてしまう。窓には一枝の梅が影を揺らしている。布団の中でも夢は成りがたい。半分は温かく、半分は冷たい。
解説
『一半儿・四景』は、春夏秋冬の四つの景色を詠んだ小令である。それぞれの段が一つの季節を描き、最後に「一半儿……一半儿……」という形で結ばれる。この形式によって、季節の曖昧な移り変わりと、人の心の揺れが同時に表されている。 第一段は春である。軽い衣、短い帽子、七香車という華やかな春遊びの場面から始まる。春の九十日は絵のように美しい。しかし「明日落紅誰是主」によって、すぐに惜春の感情が現れる。花は美しいが、明日には散るかもしれない。結びの「半分は風、半分は雨」は、落花の原因であると同時に、人のどうしようもないためらいを表す。 第二段は夏である。紗の帳の中で眠り、酒が少し醒める。雨が止み、月が少し現れる。ここでは、夏の暑さそのものよりも、雨後の涼しさと、陰晴の交錯が描かれている。 第三段は秋である。蓮の翠は減り、菊は黄色くなり、楓は赤く、梧桐は老いたように見える。季節は明らかに衰えへ向かっている。最後の「半分は西風、半分は霜」は、秋が深まり冬に近づく気配を表している。 第四段は冬である。一人寝、明るすぎる月、酒醒め、窓の梅影が描かれる。最後の「半分は温かく、半分は冷たい」は、布団の中の感覚であり、同時に心の状態でもある。 この作品の魅力は、四季を大きく描くのではなく、それぞれの季節の微妙な境目を捉えている点にある。すべてが「半分」であり、そこに人生の不安定さも映っている。
作者紹介
胡祗遹は元代の文学者・政治家で、字は紹開、号は紫山。磁州武安の人。元世祖の時代に仕え、翰林応奉文字、太常博士、河東山西道提刑按察副使、済寧路総管、山東東西道提刑按察使などを歴任し、清廉で有能な官僚として知られた。著作に『紫山大全集』があり、元代文学や曲壇を研究するうえで重要な資料を残している。散曲は清らかで雅致があり、文人らしい品格と元曲らしい自然な口語感を兼ね備える。明代の朱権はその詞を「秋潭孤月の如し」と評した。