元曲
阳春曲·知几(一)
白朴
知荣知辱牢缄口,
谁是谁非暗点头。
诗书丛里且淹留。
闲袖手,
贫煞也风流。
翻訳
栄辱を知れば、口を固く閉ざす。誰が正しく誰が誤っているかを見抜いても、ただひそかにうなずくだけである。しばらくは詩書の中に身を置こう。手を袖に入れて閑かに過ごせば、どれほど貧しくとも、なお風流はある。
解説
「知幾」とは、物事の兆しや進退の機を知ることである。この曲の語り手は、是非も栄辱も分からないのではない。むしろよく分かっているからこそ、口を閉ざし、ただ内心でうなずく。詩書の中に身を置くことは、乱世の是非から距離を取る方法である。「貧煞也風流」は、貧しさを誇る言葉ではなく、富貴を失っても精神の品位は保てるという自負である。