元曲
四块玉·浔阳江
马致远
送客时,秋江冷。
商女琵琶断肠声。
可知道司马和愁听。
月又明,酒又酲,
客乍醒。
翻訳
客を送る時、秋の川は冷ややかである。 歌女の琵琶は、腸を断つような響きを立てる。 彼女は知っているだろうか、司馬もまた愁いを抱いて聞いていることを。 月はまた明るく、酒はまた深い。 旅の客は、ふと酔いから覚める。
解説
この曲は白居易「琵琶行」の記憶を強く踏まえている。潯陽江、商女の琵琶、司馬の愁いという語が並ぶだけで、読者は江州司馬の流謫の情を思い起こす。馬致遠は物語を語り直すのではなく、送別、秋江、琵琶、月、酒醒めという断片を重ねる。最後の「客乍醒」は、単なる酔い醒めではない。旅と失意の中で、ふと自分の孤独を知る瞬間である。静かだが、深く冷たい一曲である。