元曲
拨不断·竞江山
马致远
竞江山,为长安,
张良放火连云栈,
韩信独登拜将坛,
霸王自刎乌江岸,
再谁分楚汉。
翻訳
天下を競い、長安を争った。 張良は連雲の桟道に火を放ち、 韓信はひとり拝将壇に登った。 覇王は烏江のほとりで自刎した。 結局、誰がなお楚と漢を分けて語れるだろうか。
解説
この曲は楚漢の争いを素材にしているが、英雄讃歌ではない。張良の策、韓信の功、項羽の死は、それぞれ劇的な場面でありながら、馬致遠の筆では功名の虚しさを示す材料となる。「再誰分楚漢」という結句は、時間が過ぎれば勝者と敗者の区別すら薄れていくことを示す。争われた天下も、語られた功業も、最後には歴史の荒涼の中に沈むのである。