唐詩
青溪
Wang Wei
言入黄花川
每逐青溪水
随山将万转
趣途无百里
声喧乱石中
色静深松里
漾漾泛菱荇
澄澄映葭苇
我心素已闲
清川澹如此
请留盘石上
垂钓将已矣
翻訳
『青溪』は、青溪に沿って歩む詩人の目を通して描かれています。溪の水は山にしたがって曲がり、乱れた石の間では音高く響き、深い松の中では水の色が静かに澄んでいます。後半では、景色が心へと移り、清らかで淡い川の姿が、詩人のもともとの閑かで遠い心境を映し出します。最後に石の上で釣りをして過ごしたいと願うところに、山水へ帰り隠れるような落ち着いた心が表れています。
解説
この詩は青溪を手がかりに、景から情へと移り、情景が自然に溶け合っています。前半では溪の水の姿を描きます。乱石を通ると音はにぎやかに響き、深い松の中に入ると色は静かに澄む。動と静が互いに引き立て合っています。後半では、水の淡く澄んだ姿から詩人自身の閑遠な心境が引き出されます。「垂釣将已矣」という結びによって、隠遁への思いが山水の中に自然に託されています。
作者紹介
王維、字は摩詰。701年ごろから761年ごろに生きた唐代の詩人、画家、音楽家です。山水田園を題材とする詩が多く、清らかで空霊な作風を特徴とします。静かな景色の中に禅的な趣を表すことが多く、後世には「詩仏」と称されました。