唐詩
春雪
Han Yu
新年都未有芳华,二月初惊见草芽。
白雪却嫌春色晚,故穿庭树作飞花。
翻訳
新しい年になっても、まだ花の美しさは少しも見えない。二月になってようやく、草の芽が出ているのを見つけて驚く。白い雪は、春の訪れが遅いのを嫌ったのだろうか。わざわざ庭の木々をくぐり抜けて、空に舞う花となっている。
解説
この詩は、春になっても花がまだ咲かない時期に降った雪を詠んだ作品である。韓愈は雪を冬の冷たいものとしてではなく、春の花の代わりに舞うものとして描いている。前半の「新年都未有芳華,二月初驚見草芽」は、春の遅さを表している。新年を迎えたのに、花も草もまだ十分に美しさを見せない。二月になって、ようやく草の芽を見つける。その時の小さな驚きが「初驚」に表れている。後半の「白雪却嫌春色晩,故穿庭樹作飛花」は、この詩の中心である。白雪を人のように描き、春の色が遅いことを嫌って、自分から庭の木々をくぐり、花のように舞うのだと想像している。「却嫌」と「故穿」によって、雪はただ降るものではなく、自分の意思を持つ存在になる。まだ花の咲かない庭木に雪が舞うことで、まるで白い花が咲いたように見える。この詩の魅力は、春の遅れを暗く描かず、雪を春の美しさへと転じている点にある。寒さの中にも、春を待つ明るい気持ちと軽やかな想像力がある。
作者紹介
韓愈は唐代の文学者、思想家、詩人で、字は退之。河陽の人で、郡望が昌黎であったため「韓昌黎」とも呼ばれる。唐宋八大家の第一に数えられ、古文運動の中心人物として、先秦・両漢の散文精神を重んじ、華美な駢文に反対した。詩風は力強く奇抜で、新しい発想に富む。代表作に『師説』『進学解』『祭十二郎文』などがある。『春雪』は、早春の雪を奇抜な発想で描いた小品である。