宋詞
行香子·过七里濑
Su Shi
一叶舟轻,双桨鸿惊。
水天清、影湛波平。
鱼翻藻鉴,鹭点烟汀。
过沙溪急,霜溪冷,月溪明。
重重似画,曲曲如屏。
算当年、虚老严陵。
君臣一梦,今古空名。
但远山长,云山乱,晓山青。
翻訳
一葉のように軽い小舟が進み、二本の櫂は水を打ち、まるで雁を驚かせるようだ。水と空は澄みわたり、影は深く映り、波は平らかである。魚は水草の映る鏡のような水面の下で身をひるがえし、白鷺は霞む洲辺に点々と立っている。沙溪を過ぎれば流れは急で、霜溪を過ぎれば冷たく、月溪を過ぎれば月光が明るい。幾重にも重なる山水は絵のようで、曲がりくねる流れは屏風のようである。思えば昔、厳子陵はここで老いていったが、それも結局は空しいことだったのだろうか。君主と臣下の関係も一場の夢、古今の名声も結局は空しい名にすぎない。ただ遠い山だけが長く続き、雲に包まれた山々は乱れ重なり、明け方の山は今も青く澄んでいる。
解説
この詞は、蘇軾が七里瀬を通ったときの風景と感慨を詠んだ作品である。七里瀬は富春江付近にあり、東漢の隠者・厳子陵と深く結びついた場所である。前半は舟行の風景で、「一葉舟軽」は小舟の軽さと水上の自由さを表す。「水天清、影湛波平」では、水と空が澄み、影が深く映る。「魚翻藻鑑,鷺点煙汀」は細かい観察が美しい。「沙溪急,霜溪冷,月溪明」は、舟が進むにつれて風景が変わる様子を三つの感覚で表している。後半では、風景から歴史への思索に移る。「重重似画,曲曲如屏」と七里瀬の美を讃えたあと、厳子陵の故事が呼び出される。「君臣一夢,今古空名」は、この詞の核心である。君臣の出会いも、古今の名声も、長い時間から見れば夢のように儚い。最後には、ただ山だけが残る。遠山、雲山、暁山という三つの山の姿によって、人間の名声を超えた自然の持続が示されている。
作者紹介
蘇軾は北宋の文学者、政治家、書画家で、字は子瞻、号は東坡居士。眉州眉山の人。「唐宋八大家」の一人であり、宋詞を大きく発展させた重要な人物である。生涯に何度も左遷を経験したが、広く大きな精神と鋭い感受性を失わなかった。彼は詞の題材を広げ、歴史、山水、人生、政治、旅、日常まで自由に詠み込んだ。この作品には、自然風景、歴史故事、人生哲学を一体化する蘇軾の力がよく表れている。