宋詞
霜天晓角·春云粉色
Gao Guanguo
春云粉色。
春水和云湿。
试问西湖杨柳,东风外、几丝碧。
望极。
连翠陌。
兰桡双桨急。
欲访莫愁何处,旗亭在、画桥侧。
翻訳
春の雲は、淡い粉のような色を帯びている。春の水は雲と溶け合い、雲までも水気に濡れているようだ。西湖の柳に尋ねてみたい。東風が吹いたあと、いったい何筋の碧い糸を新しく添えたのか。遠くまで見渡すと、緑は小道へと続いている。美しい小舟では、二本の櫂が急いで水をかいている。莫愁のような歌姫を訪ねたいが、彼女はどこにいるのだろう。酒楼は、彩られた橋のそばにある。
解説
この詞は、早春の西湖遊覧を描いた小品である。高観国は、濃い花の色ではなく、春の雲、水、柳、小舟、酒楼、画橋といった軽やかな意象によって、清新な春の気分を表している。前半の中心は、春の始まりである。「春雲粉色」は、雲がほんのり粉色を帯びている様子を描く。強い霞ではなく、淡く柔らかな春の色である。「春水和雲湿」は、水に映る雲と、水気を含んだ空気を一体化させた表現で、西湖の春の潤いが感じられる。「東風外、几絲碧」は、柳の新しい緑を非常に細かく捉えている。まだ一面の緑ではなく、東風のあとに数本の碧い糸が生まれたような早春の柳である。後半では、視線が遠くへ広がり、舟の動きが加わる。「望極。連翠陌。」は、湖辺の小道まで緑が続く様子を示す。「蘭橈双槳急」は、春の興に誘われて舟を急がせる感じがある。最後の「莫愁」は、古代楽府に見える美しく歌にすぐれた女性の名であり、ここでは歌女や佳人を象徴している。「旗亭」は酒楼であり、「画橋」は美しく飾られた橋である。詞は宴そのものを書かず、そこへ向かう手前で終わるため、春遊びの期待が余韻として残る。この詞の魅力は、軽さと潤いにある。春はまだ盛りではなく、雲の色、柳の細い緑、水辺の湿り気の中に、静かに立ち上がっている。
作者紹介
高観国は南宋の詞人で、字は賓王、号は竹屋。山陰の人。生涯については詳しい記録が少ないが、南宋中期に活動し、史達祖と親しく交わり、当時「高・史」と並び称された。詞風は清麗で婉雅、春景、湖山、宴遊、繊細な情感を描くことに優れている。詞集に『竹屋痴語』がある。南宋雅詞の流れに属する重要な詞人の一人である。