宋詞
清平乐·检校山园书所见
Xin Qiji
连云松竹
万事从今足
拄杖东家分社肉
白酒床头初熟
西风梨枣山园
儿童偷把长竿
莫遣旁人惊去
老夫静处闲看
翻訳
松や竹は雲にまで連なるように高く伸び、これからは、世の中のことはもうすべて満ち足りているように思える。杖をついて東の隣家へ行き、社日の祭りの肉を分けてもらう。家では、寝台のそばに置いた白酒が、ちょうど醸し上がったところだ。秋風が山の庭を吹き、梨や棗が実っている。子どもたちはこっそり長い竿を持ち、枝の実を落とそうとしている。どうか、ほかの人に驚かせて追い払わせないでほしい。この老いた私は、静かなところから、ただのんびり眺めていたいのだ。
解説
この詞は、辛棄疾が山園に隠棲していた時期の生活を描いた小品である。題の「検校山園書所見」は、山園を見回ったときに目にしたものを書き留めた、という意味である。前半では、松、竹、社肉、白酒が描かれる。「連雲松竹」は、松や竹が雲に届くほど高く伸びる清らかな風景であり、隠居生活の落ち着きも感じさせる。「万事従今足」は、人生のすべての不満が消えたというより、この一瞬の生活の充足を表している。「社肉」は村の祭礼のあとに分けられる肉であり、そこには農村の季節行事と隣人との交流がある。「白酒床頭初熟」は、家の酒がちょうど飲み頃になったという日常の喜びである。後半では、秋の山園で梨や棗が実り、子どもたちが長い竿でこっそり実を取ろうとしている。普通なら叱る場面だが、詞人は「驚かせて追い払うな」と言う。彼は静かなところから、それを穏やかに眺めていたいのである。この作品には、辛棄疾の豪放な一面とは違う、柔らかく寛大な田園生活の心が表れている。失意の人生の中で、自然、酒、隣人、子どもたちの姿に小さな満足を見いだしている一首である。
作者紹介
辛棄疾は南宋の詞人・武人で、字は幼安、号は稼軒。山東歴城の人。若い頃に抗金運動に参加し、その後南宋に帰順した。生涯にわたって中原回復を願ったが、政治的には十分に用いられず、その不遇と志の大きさが多くの詞に反映されている。蘇軾と並んで「蘇辛」と称され、豪放詞の代表とされる一方、田園生活や日常の情景を描いた繊細で温かな作品も残している。