宋詞

长相思·吴山青

Cháng Xiāng Sī · Wú Shān Qīng

林逋

Lín Bū

Wú shān qīng, Yuè shān qīng, liǎng àn qīng shān xiāng sòng yíng, shéi zhī lí bié qíng?

吴山青,越山青,两岸青山相送迎,谁知离别情?

Jūn lèi yíng, qiè lèi yíng, luó dài tóng xīn jié wèi chéng, jiāng biān cháo yǐ píng.

君泪盈,妾泪盈,罗带同心结未成,江边潮已平。


翻訳

呉の山は青く、越の山も青い。両岸の青山は、見送り迎えるように続いているが、この別れの情を誰が知ってくれるだろう。 あなたの目には涙が満ち、私の目にも涙が満ちている。羅の帯で結ぶはずの同心の結びはまだ成らないまま、川辺の潮はすでに静まり、船はまもなく出ていく。

解説

《長相思·呉山青》は、林逋の作品の中でも珍しく恋愛と別離を正面から詠んだ詞である。語はきわめて平明で、典故をほとんど用いないが、その単純さがかえって別れの痛みを深くする。「呉山青,越山青」は、江南の両岸に広がる青山を描き、空間の広がりを作る。しかし青山は送迎するようでいて、離人の情を理解することはできない。「誰知離別情」によって、自然の静けさと人間の悲しみの隔たりが明確になる。 下片では、二人の涙が対句的に描かれる。「君泪盈,妾泪盈」は、双方の思いが同じであることを示すが、「羅帯同心結未成」によって、その思いがまだ結ばれていないことが明らかになる。潮がすでに平らになったという結句は、出発の時が来たことを告げる。淡い言葉の中に、時間に引き離される恋人たちの痛切な情がこめられている。

作者紹介

林逋、字は君復。北宋の詩人で、杭州銭塘の人。生涯仕官せず、西湖の孤山に隠棲し、「梅妻鶴子」の高潔な隠者像で知られる。詩風は清淡で孤高、特に梅を詠んだ「疏影横斜水清浅,暗香浮動月黄昏」の句で名高い。林逋は隠逸や梅鶴のイメージで語られることが多いが、《長相思·呉山青》では、きわめて素朴な言葉で人間の別離の深情を描いている。