宋詞
长相思·花深深
花深深。
柳阴阴。
度柳穿花觅信音。
君心负妾心。
怨鸣琴。
恨孤衾。
钿誓钗盟何处寻。
当初谁料今。
翻訳
花は深く重なり、柳の陰も濃い。柳をくぐり、花の間を抜けて、ただあなたの便りを探している。それなのに、あなたの心は私の心を裏切った。 恨めしいのは、悲しく鳴る琴。憎いのは、ひとり寝の衾。金の飾りに誓い、簪にかけて交わした約束は、いまどこに探せばよいのだろう。当初、今日のような結末を誰が予想しただろうか。
解説
《長相思·花深深》は、棄てられた女性の怨みを詠んだ短い詞である。冒頭の「花深深,柳陰陰」は春の景でありながら、明るい春色ではなく、深く陰った情景として描かれる。女性は花柳の間を歩くが、それは春を楽しむためではなく、恋人の便りを探すためである。「君心負妾心」という一句で、待ち続けた思いが裏切られたことが明白になる。 下片では、孤独と怨恨が凝縮される。「怨鳴琴,恨孤衾」は、昼の琴、夜の衾という二つの物に孤独を託した表現である。かつて愛の証であったはずの琴や衾が、今は悲しみの証となる。「鈿誓釵盟」は昔の誓いを思い起こすが、その約束はどこにも見つからない。結句「当初誰料今」は、怒りだけでなく、過去を振り返る虚しさを含む。短句と反復によって、棄婦の痛みが鋭く表現されている。
作者紹介
陳東甫は宋代の詞人で、生涯についての記録は多くない。現存する作品は少ないが、《長相思·花深深》は宋詞選本に収められ、広く知られるようになった。この詞は短い句の中に棄婦の怨情を凝縮し、明白な言葉で強い情感を表している。陳東甫は宋詞史上の大作家ではないが、この一篇は閨怨・棄婦詞の中で印象深い作品である。