詩経
郑风·有女同车
佚名
有女同车,颜如舜华。
将翱将翔,佩玉琼琚。
彼美孟姜,洵美且都。
有女同行,颜如舜英。
将翱将翔,佩玉将将。
彼美孟姜,德音不忘。
翻訳
一人の女性が私と同じ車に乗っている。その顔は木槿の花のように美しい。車が進むと、彼女はまるで飛び立とうとするかのようで、美しい玉を身につけている。あの美しい孟姜は、まことに美しく、しとやかである。 一人の女性が私とともに行く。その顔は木槿の花のように明るく美しい。車が進むと、彼女はまるで飛び立とうとするかのようで、佩玉が清らかに鳴る。あの美しい孟姜の、徳ある声と姿は忘れがたい。
解説
「有女同車」は、孟姜という女性の美しさと徳をたたえる詩である。彼女の顔は「舜華」「舜英」、すなわち木槿の花にたとえられる。木槿は明るく美しい花であり、若い女性の鮮やかな美しさを表すのにふさわしい。 「将翱将翔」は、彼女が実際に飛ぶという意味ではなく、車とともに進む姿が軽やかで、今にも舞い上がるように見えることをいう。佩玉の「琼琚」や「将将」という響きによって、詩は視覚だけでなく聴覚的な美しさも持つ。 最後に詩は、容貌の美から「德音不忘」へ進む。孟姜は美しいだけでなく、その徳ある声と名声が忘れがたい人物である。『詩経』における美人像は、しばしば外見の美と礼儀、徳性が結びついており、この詩もその典型である。
作者紹介
「鄭風・有女同車」は『詩経』鄭風に収められた作者不詳の詩である。鄭風には、男女の情愛や人物の姿を明るく描く作品が多い。この詩は、車、佩玉、木槿の花といった意象によって美しい女性を描き、最後に「德音不忘」と述べることで、外見の美と徳の美をともに重んじる古代の美意識を示している。