詩経
唐风·绸缪
佚名
绸缪束薪,三星在天。今夕何夕?见此良人。子兮子兮!如此良人何!
绸缪束刍,三星在隅。今夕何夕?见此邂逅。子兮子兮!如此邂逅何!
绸缪束楚,三星在户。今夕何夕?见此粲者。子兮子兮!如此粲者何!
翻訳
薪はしっかりと束ねられ、参星は夜空に高くかかっている。今宵はいったいどのような夜なのだろう、こんなにもよき人に会うことができたとは。あなたよ、あなたよ、このようなよき人を前にして、私はどうすればよいのだろう。刈り草は束ねられ、参星は軒の隅へ移っている。今宵はいったいどのような夜なのだろう、こんな邂逅にめぐりあえたとは。あなたよ、あなたよ、このような出会いを前にして、私はどう言えばよいのだろう。荊の枝は束ねられ、参星は戸口に照っている。今宵はいったいどのような夜なのだろう、こんなにも輝く人に会うことができたとは。あなたよ、あなたよ、このような美しい人を前にして、私はどうしたらよいのだろう。
解説
『綢繆』は、婚姻や恋人との出会いの喜びを歌った詩である。各章の冒頭に置かれる「束薪」「束芻」「束楚」は、薪や草木を束ねる具体的な行為であると同時に、人と人との結びつきを暗示している。「綢繆」という語そのものにも、からみ結ぶという意味があり、詩全体の情感を支えている。参星の位置は「天」から「隅」へ、さらに「戸」へと移り、夜が深まっていく時間の流れを感じさせる。しかし詩の中心にあるのは、時間の推移ではなく、「今夕何夕」という驚きである。今夜はいったい何という夜なのか。なぜこの夜に、この人と出会うことができたのか。その問いは答えを求めるものではなく、幸福のあまり言葉を失った感嘆である。「良人」「邂逅」「粲者」と呼び名が変わるにつれて、相手への愛情、出会いの偶然、美しさへの讃嘆が重なっていく。素朴な民歌でありながら、星の光と反復のリズムによって、一瞬の出会いを忘れがたい情景へと高めている。
作者紹介
『詩経』の「国風」に収められた作品の多くは、周代各地の民歌であり、作者はほとんど伝わっていない。「唐風」は古唐の地域に由来し、のちの晋の文化圏とも関わる。恋愛、婚姻、労役、政治批判、人生への思いなどを素朴な言葉で歌うのが特徴である。『綢繆』はその中でも明るい恋の歌であり、夜、星、反復される感嘆によって、出会いの喜びを印象深く描いている。